問題
Ⅰ-1
情報システムに限らず,現在のシステムのアーキテクチャは,巨大な1つの設備上に構築する集中制御から,小規模な設備上のより小さなシステム要素による分散協調連携制御へと大きく変化している。そうしたシステムの設計において,回路やネットワーク,ソフトウェアやシステムのシステム(System of Systems)などにおいて,さまざまなレベルでの要素分割と機能の配置及び要素間の連携は重要項目である。これに関して次の問いに答えよ。
(1)要素分割の良さをどのように評価するかを概説した上で,実際に要素分割を行うに当たっての課題を述べよ。
(2)要素分割の具体例を示し,(1)に挙げた課題がどのように解決されるか示せ。
(3)(2)の分割例における要素間連携インタフェースに着目して,リスクを評価し,その対策を述べよ。
(4)分散協調連携システムの設計・運用において必要となる要件や留意点を,技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。
Ⅰ-2
顧客対応の情報システムにおいて,提供するサービスの顧客別カスタマイゼーションと処理のリアルタイム化は重要な差別化機能となる。ある宅配事業者が全国に配置する拠点に対して,スマートフォンのアプリやセンサ,位置情報等を活用し,集荷・配荷指示をリアルタイムに発行し,実行結果をリアルタイムに収集するなど,宅配事業の高収益化とサービス品質の向上を実現する情報システムを構築することになった。このシステムの設計に際して,次の問いに答えよ。
(1)システムの設計に当たって,想定されるステークホルダごとの要件を抽出し分析せよ。
(2)抽出した要件のうち最も重要と考える要件を挙げ,その要件に対する複数の解決策を示せ。
(3)それらの解決策を評価し,解決しきれない共通の課題と対策を挙げよ。
(4)上記の業務遂行において必要な要件や留意点を,情報工学の技術者として,倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。
考察
Ⅰ-1 分散協調連携システム
Ⅰ-2 顧客別カスタマイゼーションとリアルタイム化